ボストンキャリアフォーラム、通称“ボスキャリ”は毎年11月にアメリカのボストンで開かれる留学生・バイリンガル向けの就活イベントです。
2022年から対面開催が復活し、2023年は11月17日〜19日の3日間で行われます。
この記事では昨年のボスキャリに参加した筆者が、レジュメの書き方やおすすめホテル、当日のスケジュールなどを徹底解説します。
1. ボストンキャリアフォーラムとは
ボストンキャリアフォーラムとは、毎年11月に3日間行われるバイリンガル向けイベントです。
伊藤忠商事や三井物産などの総合商社、A.T.カーニーやPwCなどの外資コンサル、ゴールドマン・サックスなど130社以上がボストンに集まります。(2023年度も8月現在136社が参加予定)
主に、アメリカやカナダの正規留学生や交換留学生を対象としていますが、ヨーロッパからの参加者や帰国子女で日本から参加する人もいます。
3日で内定が取れるイベントではない
また、よく「3日で内定が取れるイベント」と言われることもありますが、あくまでも「最終面接前までのフェーズを10月までに行い、最終面接をボストンで行う」という認識が正しいです。
当日のウォークイン受付もありますが、10月までにエントリーを済ませてWebテストや1次・2次面接をオンラインで受け、会場で最終面接を受けるつもりで臨まないと内定はほぼ不可能です。
例えば、総合商社や戦略コンサルなどに内定した昨年のボスキャリ参加者は上記のようなスケジュールで進めていました。
内定後や面接後にディナーに呼ばれることも
ボスキャリの大きな特徴は、内定後や面接で評価された学生は企業からディナーに呼ばれることです。
企業はこぞって優秀な学生に入社してもらおうと、豪華なホテルやレストランでもてなします。
面接が終わった日に、担当してくれた社員からお酒を飲みながら直接FBがもらえたり、ラフな雰囲気で気になることを聞けるのは、通常の選考と大きく異なる点です。
実際に筆者も1日目と2日目にディナーに呼ばれ、ボストンで有名な高級レストランでコース料理をご馳走してもらいました。
一方で、その場で合否が分かる企業が多いため夜はディナーを連日楽しむ学生がいる一方で、一度もディナーに呼ばれることのない学生や、ホテルのロビーで泣き崩れている学生がいるのも事実です。
2. ボストンキャリアフォーラムのレジュメの書き方
ボスキャリのレジュメは皆さん不安に思われるかもしれません。
私もたくさんネットで探していました。ここで言いたいのは確固たる正解はありません。
レジュメの文字数はどれくらい?
ボスキャリのレジュメは文字数の制限がほとんどなく、書きたいだけ書けてしまいます。
ただ目安は学歴が500字〜1000字くらい、自己PRも600〜1100字くらいです。
できるだけ少なく端的にまとめるに越したことはないと思います。
レジュメを書いてから面接までに時間があるので、レジュメを作り込みすぎてしまうと話したいことが変わった時に対応ができません。少しだけ余白を作っていくことをおすすめします。
また、企業によってはボスキャリのレジュメを見ていない企業もありました。応募者数が多い人気企業が多いほどレジュメは重要視されていません。
総合商社や総合デベロッパーの受験者は面接官が全くレジュメを読んでいないと感じたそうです。
そうなると大切なのはパッと見の印象です。見やすさです。
パッと見の読みやすさを意識する
長文でツラツラと自己PRを書くのではなく、採用担当者が見た際にパッと見で読みやすいなと感じられるようなレジュメを作りましょう。
このような記号や区切り線を駆使して、とにかく見やすいレジュメを作りましょう。
特に日系企業は”思い”,”考え”,”学び”みたいなものが大切なので、事実の羅列にならないようにすることは大切です。この辺りはいわゆるESの書き方と同じです。
実際のボスキャリ内定者のレジュメを公開
ボスキャリに参加して4社の内定をもらった人のレジュメはこのような形式でした!
ここからも箇条書きやナンバリングがいかに重要かが分かると思います。
企業によってはかなりレジュメを読み込んでおり、印刷して面接に臨む企業もあったそうです。
学歴の欄(624字/3,000字)
・経済学を専攻した理由
経済学の知識を深め、日本経済が発展し続ける方法を学びたいと考えたからだ。高校時代、「公民」の授業で行った株式学習ゲームをきっかけに日本とアメリカでは家計金融資産の拡大ペースに大きな差が生まれていることを知った。日本経済や家計金融資産を成長させるための金融政策について学びたいと思い、経済学を専攻した。
・得意な科目:◯◯
この講義では、第二次世界大戦後からバブル経済崩壊までの日本経済を、特殊な企業間関係や労使関係からなる「日本企業システム」に着目して学んだ。日本では、中小企業が多様な機械工業を底辺から支えており、このような山脈型社会構造が日本企業の国際競争力の一因となっている。
・学士課程を通し、学んだこと:「チームをまとめて課題を解決する力」
グループワークに多く取り組んだ。研究会では、動画配信サービス「▲▲」において20代の入会者数を増やすための策を6人のチームで考えた。
現状の課題を分析するためには、SWOT分析や学生へのアンケートが必要だったが、はじめはメンバーへの士気が低く分析が進まなかった。そこで、リーダーとして定期的にメンバーの役割分担の指示を行い課題が予定通り進むよう努めた。
最後まで進行状況の確認を行ったことで、「認知度向上と差別化に着目してそれぞれの具体的な施策を提示しており実現性の高い提案である」と(企業名)の方から高く評価していただくことができた。
自己PR(634字/3,000字)
学生時代を通して得た私の強みは、「課題を見つけ出し自分は解決のために何ができるのか考える力」だ。
強みは以下の活動から得た。
・◯◯の営業インターン
大学1年生より、◯◯の営業インターンに取り組んできた。▲▲の店舗の契約率向上のため、店舗リーダーとして3つの課題を洗い出した。
① 月に1回ほどしか週ごとの契約率目標が達成できておらず、インターン生のモチベーションが低下していたこと
② 研修機会が少なく、製品への知識が浅いインターン生がいたこと
③ 人通りの少ない場所で▲▲を開催しており、認知度が低かったこと
これら3つの課題に対し、広告費にコストをかけて認知度を上げるよりもインターン生の質を向上させることが、店舗の契約率向上を実現しやすいと考えた。
そこで、以下の解決策を提案し実行した。
① 店舗リーダーにしか公開されていなかった個人契約率を公開し、契約率が低いインターン生を積極的にフォローする
② 閑散期に対面での研修を開催し、製品情報や訴求ノウハウを学習
③ ▲▲会場を人通りの多い場所へ変更。チラシを作成してショッピングセンターのレジで配布してもらう
最終的に、来場者数が増加し訴求の質も向上したことで、半年で店舗契約率を45%から60%まで上げることができた。
この強みを生かし、常に自分には何ができるのかを考えて行動する。
3. ボストンキャリアフォーラムのおすすめホテルは?
まず、2023年のボストンキャリアフォーラムが開かれる場所について説明します。
2023年は「ハインズコンベンションセンター」で開催されます。
ボストンの中心部で、レストランやホテルも多くあるエリアです。
とにかく会場の近くに宿泊する
正直、ボストンの中心部なので、ホテルはいくらでもあります。
ただ一つアドバイスができるとすれば、「とにかく会場から近いホテルをなるべく早く取ること」です。
ボストンキャリアフォーラムは3日間ありますが、面接がミッチリ詰まっている人よりは面接と面接の間に数時間の空きがある人がほとんどです。
会場には面接準備をできる机と椅子が用意されていますが、数が限られており常に席は埋まっています。
ホテルが近ければ、空いた時間で戻って面接練習をすることもできますし、一人になることができます。
私は1時間半以上面接のない時間ができたら、必ず戻って一人の時間を作って休んでいました。
会場は常にざわざわしているので、慣れない空間から一度離れると、面接が続いても集中力が続きます。
その中でおすすめのホテルは
① Hiltion Boston Back Bay(会場から徒歩3分)
② Sheraton Boston Hotel(会場から徒歩4分)
③ 304 Newbury Street by Thatch(会場から徒歩2分)
④近辺のairbnbやゲストハウス
です。
① Hiltion Boston Back Bay と② Sheraton Boston Hotel は有名な高級ホテルなので、皆さんもご存知だと思います。
昨年は4泊で最低20万円はかかった記憶があります。
ゆったりと眠れるので、このホテルに泊まる学生も多いのですが、採用担当者も多くがこの2つのホテルに泊まります(笑)
この宿泊施設は、キッチン併設型のアパートメントタイプの部屋です。
2部屋あり、最大4人が泊まれます。
実はここは実際に私が泊まったホテルです。自信を持っておすすめすることができます!
キッチンがついており、コーヒーメーカーや電子レンジ、食器など全て備わっているので、朝はコーヒーを飲んでから面接に臨め、お昼はピザなどをスーパーで買って、温めて食べることはできます。
そして何といっても立地の良さ。会場から徒歩2分で、暇さえあれば帰ってソファーで休んでいました(笑)
ボスキャリ期間中は全ての部屋が日本人グループで埋まると思います。
昨年は円安でしたが、4泊で19万円ほどで4人で割ればヒルトンやシェラトンの半額くらいで泊まることができます。
他にも近くにゲストハウスなどがあるので、複数人で過ごしてもいい人はairbnbなどでも探してみるのがおすすめです。
当日のスケジュールは?
当日のスケジュールは何社にエントリーするかによって様々ですが、基本的に初日と2日目はかなり忙しいと考えておきましょう。
3日目になるとブースを閉める企業も多くなり、ウォークイン受付分の面接以外はやらない企業も多いです。
0日目がある人も
人によっては、企業からボスキャリ前日に面接をしたいと言われることもあります。
ボストンにオフィスがある企業では、0日目に面接をしたりディナーがあることも珍しくありません。(例:PwC)
この人はかなりの数を受けているので、Day3までみっちりと詰まっていますが、これくらい忙しいスケジュールになることも覚悟しておきましょう。
Day1に面接を詰めるのも1つの作戦
3日間も面接をしたくない人や授業の関係で3日目に帰らなければいけない人は、1日目にたくさん詰めるのも1つの手です。
Day1はホテルで休む暇もないほど面接が詰まりますが、Day2以降は観光も楽しめるくらい余裕のあるスケジュールです。
また、会場ではボスキャリを主催するCFN AGENTのブースがあり、模擬面接をしてくれます。
ホテルに帰る時間はないけど面接対策をしたい人は、CFN AGENTブースで空き時間を過ごすのがおすすめです。
さいごに:ボスキャリで内定を獲得するには
ここまで、ボストンキャリアフォーラムについて説明しましたが、会場で内定をもらってディナーを楽しむ人がいる一方で、一定数の学生は選考に落ちています。
企業によってはサイレントで落としてくることもあり、合否が分からずに待ち続ける学生も少なくありません。
実際にボスキャリに参加し、内定を多く取った学生と話した筆者が言えるのは「内定を貰いたければ、なるべく早く準備をする」ことに尽きると思います。
授業が忙しく10月から対策を始める人や、当日のウォークインのみで臨む人もいるなかで、早めに応募をして着実に対策をしている人は、やはり多くの企業から内定をつかみ取っています。
この記事を読んだ今から、ボスキャリの準備を始めてください!
Prime.N Salon では、就職活動を本気で取り組む学生に向けたオンラインサロンを運営しています。オンラインサロンでは、1対1のメンター制を基本にして、ESの添削や、面接練習、総合商社や総合デベロッパーのIS対策イベントなどを行っています。
サロンにはボスキャリを経験した24卒メンターも在籍しています。
Prime.N Salon は本気で就職活動に取り組むことで、「就職活動」にも「その後の働く未来」も楽しもうとする学生の参加をお待ちしています!