伊藤忠商事は繊維、機械、金属など様々な分野において幅広いビジネスをグローバルに展開する大手総合商社です。三井物産、三菱商事とともに3大商社と呼ばれています。
大手総合商社最小の従業員数でありながら、最大の労働生産性を実現しており、就職人気ランキングでは1位に選ばれることも多い超人気企業です。
そのため、納得感があり周りの学生と差別化が図れる志望動機であることが選考突破には欠かせません。
この記事では、伊藤忠商事の志望動機のポイントについて解説します。
目次
1. 伊藤忠の志望動機を書くポイントとは?
非常に倍率の高い伊藤忠商事の志望動機を書く際には以下の3点が重要です。
結論ファーストを徹底
1つ目のポイントは、結論ファーストを徹底することです。
志望動機を見る人事担当者は、大量の志望動機に目を通します。超人気企業である伊藤忠商事であれば尚更です。
一人ひとりのESをじっくりと読む時間はないため、伝えたいことは初めに書くことが鉄則です。
結論ファーストで書かれていなければ、いくら内容が良くても内容が把握しにくいので、印象に残らない、場合によっては大きな減点となることがあるので注意しましょう。
入社後に自身が企業にどんな価値を提供できるか述べる
2つ目のポイントは、自分が入社後にどのように活躍できるのか書くことです。
特に、伊藤忠商事の総合職は8つものカンパニーがあり、その中にも様々な事業があるため、バリューの発揮方法は人によって様々です。
企業研究を通して、実際に展開している事業や業務内容を理解し、その舞台で自分の価値をいかに発揮できるかを考えておくことが大切です。
商社は扱う事業が幅広くイメージが難しいので、自分なりに理解したら、OB訪問を通じて本当に自分の考えている強みがその業務で活かせるのか、詳しく話を聞くことをおすすめします。
過去の経験と志望動機をすり合わせる
3つ目のポイントは、過去の経験と志望動機に一貫性を持たせることです。
志望動機では主に自分のビジョン、その背景、具体例を書きます。自分のビジョンを持つようになった背景や経緯を、過去の経験に基づいて書くことで説得力が増します。
さらに、ガクチカで伝えた強みが企業でどのように活きるのか、すり合わせることも重要です。自分のビジョンや強みが過去の経験と繋がっていることが示せると、一貫性のある伝わりやすい志望動機となります。
2. 志望動機の中でアピールすべき4つのポイント
志望動機の中でアピールするべきポイントは以下の4点です。
求める人物像への共感
求める人物像に共感し、どのようにマッチしているかアピールしましょう。
伊藤忠商事の新卒採用では、以下のような人材を求めています。
私たちは、自分の信念をツラぬき、口だけでなく行動で示す人、常識や固定概念を壊し、道なき道を切り拓く人、アオくさくて笑われてしまうような、でっかい夢に情熱を燃やせる人に出会いたいと思っています。
この言葉から、自分自身で大きな夢をもち、夢の実現のために行動できるような主体性、行動力を持った人材が求められていることが分かります。
志望動機では、このような人物像に自分がいかにマッチしているかを伝える必要があるのです。
ガクチカで、目標に向かって頑張り続けた経験や、周りを巻き込み行動した経験を伝え、主体性、行動力、粘り強さなどをアピールしましょう。
企業理念の真意を捉えたアピールは評価が高い
企業理念の真意を理解して志望動機に含められると評価が高くなります。
伊藤忠グループの企業理念は売り手よし、買い手よし、世間よしという「三方よし」です。商いを通じて社会課題の解決を図るという好循環を生み出すことで、持続的な企業価値向上を実現させています。
自分が解決したい社会課題は何か、どんな業務で社会課題を解決していきたいのか、など企業理念に自分がどのように貢献できるのか深掘りして考える必要があります。
ほかの商社とのビジネス内容の違いは要アピール
他の商社とのビジネス内容の違いを自分なりに理解して、説明できるようにしておきましょう。
伊藤忠商事の面接では、なぜ商社の中でも伊藤忠なのかや伊藤忠のニュースを知っているか、OB訪問をしたかどうかなど深い会社理解が問われます。
幅広いビジネスをグローバルに展開する総合商社は違いが見えにくいものですが、それぞれの会社が強みとする分野は大きく異なります。
これらの違いを徹底的に研究して、企業理解を問う質問に対して深いインサイトを持った納得感のある回答ができるように準備しておきましょう。
参考までに5大商社の注力領域を表にまとめたので、これらの概要を元にして企業研究を進めてみてください。
商社名 | 伊藤忠 | 三井物産 | 三菱商事 | 住友商事 | 丸紅 |
注力領域 | 非資源分野 | 資源分野 | 金融資源 | 生活・不動産 メディア デジタル | 金属事業 食料事業 |
社風や人の要素も取り入れられるとベスト
会社とのマッチングを示すために、社風や人柄・性格の要素も志望動機に入れられるとベストです。
伊藤忠商事では、独自の人材戦略で「個の力」を最大限引き出すことを重視しています。
その中で求められている人の特徴は、チャレンジ精神を持った人、夢を持って実際に行動できる人です。
これらの特徴に当てはまるエピソードを志望動機で用いることで会社との相性をアピールすることができます。
3. 内定者は実際にどう志望動機を作成した?
伊藤忠商事内定者に、実際に意識したポイントを聞いてみました。
スキルとカルチャー面でアピール要素を構成
スキル面とカルチャー面の二点について、それぞれ意識しました。
まず、スキル面に関しては、自分と企業がギブ&テイクの関係性であることを示しました。自分のやりたいことだけを一方的に主張するのではなく、企業側の立場に立つことも大事だと思います。
自分が企業に入ってやってみたいことと、自分(の強みやスキル)が企業に与えられるメリットを、互いにとってWin Winであると示すことを志望動機で意識しました。
また、社風に関しては自分の大切にしている価値観と会社の雰囲気がいかにマッチしているかを言語化することを意識しました。中でも、自分の大切にしている価値観は、ガクチカやパーソナルの質問の中で触れていたものなら、尚良しだと思います。
ガクチカとの整合性を大切にした
① ガクチカとの一貫性を意識
ガクチカで伝えるエピソードを商社の業務に寄せることで、入社後どのように活躍できるかを具体的にイメージさせられるよう意識しました!「自分は商社の業務は〜事だと思っている。一方で大学アメフト部でやってきた事は、〜である。」というような感じです!
② 自分の大切にしてる事と一致してるとアピール
商社の中でなぜうち?と聞かれた際、会社(社員)が大事にしてきた考えと自分のが一致してると感じた。みたいなニュアンスで伝えてました!
③ どういう形で社会貢献したいのか伝える
自分の中で原体験を探すことができなかったので、伝えてなかったですが、言えばよかったなと後悔してます。
「〜ことをきっかけに〜という課題を解決したいと思った」といった感じだと思います!
4. 実際の志望動機例文を紹介
最後に伊藤忠商事内定者の志望動機を紹介します。
例文① 伊藤忠商事内定者の例文
私は総合商社のお仕事は、社会の潮流を読んで自ら戦略を立て、その上で全世界•全産業の多種多様なパートナーとビジネスを作り上げていくものだと考えています。私も大学アメフト部で相手チームを分析してどうやったら勝てるか戦略を立て、その上で戦術スタッフや選手といった価値観の違うメンバーをまとめ上げる中で実践的に勝てるチームを作ってきましそう考えますと、総合商社こそ私が最もやりがいと強みを発揮できる戦略を立てて価値観の違うものとチームを作り上げるという仕事ができると考え、志望しています。
総合商社の仕事がどのようなものであるか自分なりに言語化し、説明しています。
さらに自分の経験から強みを述べ、総合商社だからこそ強みが発揮できるとアピールしています。
伊藤忠商事以外の、総合商社内定者の志望動機も紹介していきます。
例文② 総合商社内定者の例文
「世に眠っている技術を繋ぎ合わせ、新たなビジネスを構築したい。」現在、大学院の研究で特許を申請中であるが、実際その技術がどう事業化され、利益を生み出し、社会貢献できるかが分からなかった。卓越した技術であっても、世に広がる仕組みがなければ、社会貢献できないことを学んだため、ビジネスの仕組みをゼロから作る商社業界に興味を惹かれた。その中で「現場主義」が根付いている貴社に魅力を感じた。なぜならゴルフキャディのアルバイトで何度も現場に足を運び、お客様のニーズを読み取り信頼を勝ち取った経験があるからだ。私は社会でも足繁く現場に足を運び、利害関係者と信頼関係を構築し、革新的な新規事業を立ち上げたい。
例文③ 総合商社内定者の例文
純粋に総合商社で働く社員の方々に憧れたからです。
ラグビー部の先輩で総合商社に就職される方が多かったのですが、総じて主体的にチームのことを考えて動いていた方々ばかりで、社会人になられてからも同じ姿勢でストイックに働かれていて純粋にカッコいいなと思っていました。そこから様々な方にお話しを伺う限り、共通してどの方も責任感を持って、日々困難にチャレンジされていて、私もこのような社会人になりたいと強く思いました。業務内容についてお聞きする中でも、川上から川下までのスケールを俯瞰して、様々な人と関わりながらビジネスを創っていく上で、自身のラグビー部でのリーダー経験であったり、AI研究で繰り返してきた仮説検証の経験を活かせると感じましたので、私が最もなりたい社会人像、かつ最も活躍できるフィールドとして総合商社を志望します。
例文④ 総合商社内定者の例文
「こと」を売りマーケットを創り出す体感をすることで、自身が貴社で働くイメージを明確なものにするためである。これまでのワークでは、トレーディング事業においては商流の全過程で課題が存在し、徹底したリスク管理が必要であることを学んだ。また、確実に納期通りに商材を納め顧客の信頼を得ていくことで、今後の事業拡大に繋がることも学んだ。そして新規事業を創造する際には、分野横断的な俯瞰的な視野が求められてくると予想している。一方、リスク管理や営業の力はさらに必要不可欠になってくると考えている。そこで交渉によって人と人を繋ぎ、新たな商流を生み出すことで異なる部門間でシナジーを生み出し、事業の多角化に挑戦したい。
このように、自分の経験から強みや将来なりたい社会人像を説明し、最も叶えられるものが総合商社という構成で志望動機を作成しています志望動機で伝えている経験は、特許を出願していることや体育会でのリーダー経験、研究内容など様々です。
自身の強みや考え方が総合商社とどのように合っているのか深掘りした上で、各商社ごとの特徴やビジネスモデルを理解し、なぜその商社が最も合っているのか説明できるようにしましょう。
Prime.N Salon では、就職活動を本気で取り組む学生に向けたオンラインサロンを運営しています。オンラインサロンでは、1対1のメンター制を基本にして、ESの添削や、面接練習、総合商社や総合デベロッパー社員にお話を聞く集団模擬面接イベントなどを行っています。
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