伊藤忠商事や三菱地所、野村不動産などの選考フローで取り入れられている「動画選考」。
毎年数多くの優秀な就活生が落とされるフローとなっています。
そこで、今回は各社の内定者から集めた情報を元に、動画選考に通過している人の特徴やポイント、過去の設問について徹底解説します。
1. 動画選考の極意とは
動画選考は企業によって、30秒指定や60秒指定、企業が指定するサイト内で撮影して提出するものや、スマホで撮った動画を提出するものなど様々なものがある。
スマホ等で撮影したものを提出する場合
iPhoneで撮影した動画を提出する場合は、提出する際に容量オーバーにならないよう、画素を下げておくのがおすすめ。
また、字幕をいれてポイントを伝えたり、明るさを調整して表情が明るく見えるようにするのもあり。
また、編集ができる場合は背景を変えることで差別化を図ることもできる。
Zoomの録画機能を使って、好きな建物を背景に撮影する人もいれば、部活動をアピールするために、グラウンド風景を背景にする人も。
とにかくどのような印象を与えたいか決めることが重要
書類選考のタイミングでは、具体的な内容はあまり見ておらず、印象のみ見られていることが多い。
例えば、人事が60秒の動画を1,000人分見ていたらそれだけで1日の業務時間が終わってしまう。そのため複数の質問がある企業はAIが評価していることが多い。
ただ、書類を通過した後面接を担当する担当者が、面接直前にどういった子なのか知るために、確認することがある。
そのため、動画を通過するためには「他の子とは違った差別化をする工夫」また、その後の面接を通過するためには「面接で伝えたい人柄を動画でも伝えられるようにする」ことが重要。
話している内容の論理性も重要だが、明るくハキハキと話せているか、笑顔であるか、準備をして話していそうかなど、印象面が大きな評価軸となる。
2. 伊藤忠商事の動画選考について
伊藤忠商事はIS選考では1問、本選考では6問の設問に答える動画選考がある。
ツールはPR動画撮影アプリ「HireVue」というものを用いるため、動画の編集などはできない。
また、動画撮影後には計算や同じ形を画面上からなるべく早く探すなどのゲーム試験がある。(対策は特にできない)
撮り直しは各3回まで。1回目を撮り終わると、2回目以降を撮り始めるタイミングは自分で決められるので、練習は十分にできる。
3回目に撮る場合は、確認もできず自動で送信されてしまうため、慎重に撮影する必要がある。
〜24卒の設問〜
基本的に似たような質問が例年されるため、準備しておくのもおすすめ。
・IS選考
「自分を何かに例えると」
書類通過通知から1週間後くらいが〆切のため、あまり時間に余裕はない。
・本選考
Q1. あなたはどのような人間ですか。 そう考える理由と共に1分間以内でお話しください。
Q2. 何か一つの物事に取り組まれている最中に、意図せず大きな変更を余儀なくされた経験についてお聞かせください。その時の状況、あなたが取った行動、最終的な結果について3分以内で具体的にお話しください。
Q3. 達成困難な目標を設定して、その実現に向けて取り組まれた経験についてお聞かせください。その時の状況、あなたが取った行動、最終的な結果について3分以内で具体的にお話しください。
Q4. 一つの目標に対して、チームで取り組まれた経験についてお聞かせください。目標達成に向けて、あなたがチームの中で果たされた役割や、実施された行動、最終的な結果について3分以内で具体的にお話しください。
Q5. 自分の持っている知識やスキルでは解決が難しい課題に直面し、新しい知識・スキルを身につける必要があった際の経験についてお聞かせください。どのような情報源から、どのようなインプットを得て、知識やスキルを身につけていったのか3分以内で具体的にお話しください。
Q6. 最後に何か言い残したことがあれば1分以内で自由にお話しください。
★本選考の2次〆切だと、通過連絡がきてから提出期限までにあまり時間がない。
1次〆切でESを提出するのがおすすめ!
通過のポイント
会社によってふざけすぎてはいけない(農中のAI面接など)こともあるが、伊藤忠は関西系のノリが比較的受けるので、とにかく人と違うことをしなければ受からない。
内定者の例:海外の人と出会いたかったので、◯◯大陸で流行っていたマッチングアプリを駆使して友達をたくさん作りました。
毎年、ガクチカや学歴が優秀な学生も動画選考で数多く落とされている。
ただ、真面目に話すのではなく、ハチマキをつける、ユニフォームで撮影するなどの見た目面や、絶対に他の人と被らない内容を考えることが重要。
内定者は、スクリプトを用意して暗記して、カメラ目線で自分の思いをしっかりと伝えられるように練習している人が多い。
読んでる感は伝わらないように!!
(撮影だけで1日使い切る人も。なるべく早く撮り始めるのがおすすめ!)
3. 三菱地所の動画選考について
三菱地所は本選考の書類通過率が非常に高く、あまり動画選考で落とされることはない。
一方で、IS選考は書類からかなり絞られる。
動画の編集は禁止となっているが、服装や撮影場所は自由。
自分らしさを見せることが求められる。
〜24卒の設問〜
・冬IS選考(1問)
「30秒で熱中しているものを伝えてください。」
人柄の伝わるような回答が求められ、「物件見学」などデベ要素の回答は求められていない。
実際に、IS参加者でデベ要素のある回答をしている人はいなかった。
自分の好きなものを生き生きと話せば◎
〜通過した人の例〜
・筋トレ(ダンベルを持ち上げながら動画を撮ったことが人事の間でも話題に)
・お酒
★お酒を飲むという趣味は、人とお酒を飲むのが好きと言うとコミュニケーション能力、居酒屋めぐりや酒造を旅行で回るなどは、積極性などがアピールできる。
趣味の中でも、様々な人柄がアピールしやすい!
・本選考(1問)
「1分程度の自己紹介動画」
あなたがついついハマってしまう趣味について、教えてください
ご自身の熱中していることや思わず夢中になってしまうことについて、30秒~1分程度で説明してください。
★三菱地所はESの趣味や特技についても面接時に話題にあがることもあり、面接官はESをしっかりと読んでいる印象。
そのため、面接中に動画で触れたことを聞かれる可能性がある。
合わせて提出する自分史も重要
三菱地所では合わせて提出する自分史も重要となる!
ISでは書類選考の時点でかなりの数が落とされるので、動画の印象も大事だが自分史でどれだけ密度の濃い人生を歩んでいるかも、選考の対象になっていると考えられる。
小学校(200~300字)
中学校(200~300字)
高校(200~300字)
大学(400~600字)
・記載いただいた自分史の中で最もあなた自身を表していると思うエピソードは何ですか。そのように考える理由も併せて教えてください。(400字以内)
内定者は読んでいる人が楽しめるよう、他の人の言葉やセリフを取り入れていたり、第三者から見た自分を伝えている。
良い経験だけではなく、自信の至らなさからくる失敗や挫折などを挟み込み、上下が多く波乱万丈な人生っぽく書くのがおすすめ。
4. 野村不動産の動画選考について
自己PRのみ。
アプリから提出する形式であり、事前に録画したものを使いまわせる形式ではないことに注意。
服装に指定はないが、あまり変な格好はしない方が良い。
背後にユニフォームを飾る人などもいるので、印象に残る工夫を行うことも大事。
・PR動画
「ご自身のことをPRできるような力とエピソードを教えてください。 服装は自由なのでご自身を最も表現できるような格好で構いません。 外での撮影や音が聞こえないような場所、迷惑な場での撮影はやめてください。」
IS参加者の属性と通過のポイント
・参加者は男子が「体育会気質な人」が多い。他は戦コンや総合商社を見ている優秀層。
→ESや面接でも、チームで動いた話や部活動で取り組んだ話をしている人が多く、1人で黙々と取り組んだ、ビジネスチックな事をやったなどと話している人は、優秀者もかなり落ちている。
そのため、動画でも1人で結果を出すようなエピソードではなく、体育会系ならではの元気の良さやサークル、アルバイト、インターンでのチームワークをアピールするのがおすすめ。
・女性は「明るくて愛想の良い人」が多い。属性はバラバラで、グループワークの時にも発言できる人が多かった。
とにかく笑顔で表情を明るく撮影するのがおすすめ。
また、ISではハキハキと自分の意見を伝えられる人が多いので、とにかく声を大きくハキハキと撮るのがおすすめ。
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