はじめに
インターン選考をはじめ、本選考においても最初のステップとなるのは書類選考を突破することです。書類選考を突破しなければ、面接に進むこともできません。通常、書類選考ではエントリーシート(以下、ESと記述します。)の提出と適性検査が求められます。書類選考で、ESはあまり読まれずに適性検査の点数だけで足切りする会社もあります。ただ、ESは面接でも用いられるものなので、しっかりと構築する必要があります。この記事では、ESを書く上で大事にしたいポイントを説明します!
こんな方におすすめ
書類選考で落ちてしまって、面接に中々進めない人
ESの書き方がいまいち分からない人
ESで何を伝えるべきなのか分からない人
目次
1. ESを書き始める前に抑えておきたいこと
ESは、面接においても面接官によって参照される重要な材料になります。ESの提出期限と実際に面接を行う時期には、ある程度間隔が空いています。ですから、実際に面接に行くまでに、自分の考えや業界・会社に関する知識量が変化して、ESで書いてある内容と面接で伝える内容が違ってしまっては一貫性のない人であるという印象を与えかねません。そのため、ESを書くまでにはいくつかの事前準備が必要です。
(1)自己分析
ESでは、様々な設問を通して「あなたはどういう人なのか?」という最も大きな質問に答えていく必要があります。ある程度一貫性のあるES作りをするためには、自己分析をすることで、自分はどういう人間なのかを知る必要があります。
(2)業界分析
ほとんどの企業では、なぜこの業界(会社)に興味を持ったのか?やなぜ志望しているのか?という設問を最初に設けます。業界構造や特徴を頭に入れておかなければ、読み手が納得するような理由付けをすることができません。インターネットや四季報(書籍)などで業界について知識をつけておきましょう。
(3)企業分析
さらによくESで見られる設問としては、「なぜ弊社を志望したのか?」というものです。また、「なぜ弊社を志望したのか?」と直接的に聞く設問が無かったとしても、なぜその企業を志望しているのか?という自分の思いをESに入れるだけで、読み手にとっての印象がまるで変わります。企業の特徴や大切にしているものなどを理解したうえで、自分の思いの丈を表現できるようにしておきましょう。
2. オーソドックスな設問の紹介
多くの企業でよく見られる設問はいくつかあります。オーソドックス設問を押さえておけば、色々な会社のESで活用できるので、時間の節約にもなります。少なくとも、ここで紹介する設問については準備しておきましょう。
(1)志望動機
インターン選考でも本選考でも、ESでよく聞かれるのが志望動機です。会社によっては、業界に対する志望動機とその会社に対する志望動機の2段階に渡って聞いてくることもあります。面接でも、自己紹介と一緒に志望動機をまず聞いてくる会社があるほど、頻出の設問です。志望動機では、もちろん皆さんがどうしてその会社に入りたいか?という理由を直接聞いています。しかし、単純な志望理由だけではなくて、この設問からは業界・会社の理解度や論理的な文章の書き方なども合わせて見られています。
(2)学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)
よく「ガクチカ」という言葉が使われますが、ESでは学生時代に頑張ったことを聞く設問が高確率で問われます。稀に、「学業で頑張ったこと」、「学業以外で頑張ったこと」、「集団で頑張ったこと」や「個人で成し遂げたこと」など…内容を限定させた設問も見られます。学生時代と聞くと、大学での経験がよく思い浮かびますが小学生まで記憶を戻してみて、自分が本当に頑張ったと胸を張って言えるエピソードをリスト化しておきましょう!なるべくたくさん沢山の経験について語れるように準備しておけば、様々な種類の設問に対応できるようになります。
(3)あなたの強み・弱み
強み・弱みについてもよく聞かれる設問です。直接的に強みと弱みを聞いてくる会社もありますが、他にも「友人からは、あなたの強み・弱みはどんなところであると言われますか?」といったような聞き方をされる場合もあります。特に、強みは書きやすいですが、弱みについては悩んでしまうことが多いでしょう。この設問は、特に自己分析で行った準備が活きてくる設問になります。
3. ES全体での留意点
各設問によって注意してほしい点がありますが、ここではESを書くうえで全体を通して注意して欲しいポイントをお教えします!
(1)結論ファースト
読み手は、皆さんのESだけではなく他の学生のESをいくつも見ている可能性が高いです。そのため、自分のESに長い時間をかけてじっくり読んでくれる可能性は低いと考えてもいいでしょう。結論ファーストで文章を書くことで、自分が伝えたいことを一番最初に伝えることができます。また、結論ファーストだと読み手にとっても読みやすい構造となるので最後まで文章を読んでみたいという気持ちにさせてくれます。
(2)オリジナリティ
現在は、いくつかのサイトで過去のESの内容と、書類選考を通過した過去の学生が書いたESを手軽に見ることができます。それらを参考にして書く人も多いと思います。しかし、インターネット上に載っているのは、もちろん皆さんだけでなく、他の人も参照していることを頭に入れておいた方がいいでしょう。一番良いのは、過去に書類選考を通過した人のESはどこが良かったのかを分析することです。内容を真似るのではなく、あくまで評価された「書き方」に注目して、その技を盗んでいきましょう。自分のオリジナリティがあると、面接でも語りやすいですし読み手も新鮮なエピソードを読むと注目しやすいです。
(3)自分の思考プロセスや気持ちを入れる
多くの人がESを書く上で忘れてしまうのが、この部分です。例えばガクチカで、起こった事実のみの記述となってしまって、なぜそれをしようと思ったのか?なぜその方法でな無ければいけないと思ったのか?それを通してどんな感情になったのか?などといった自分の心情を表すような一文を入れるのを忘れてしまうことが多いです。読み手(特に面接官)が一番聞きたいのは、実は皆さんの思考プロセスであったり得られた感情であることは頭に入れておいたほうが良いでしょう。
4. 設問ごとの留意点
上記であげたオーソドックスな設問について、それぞれ効果的な書き方を以下で説明します。
(1)志望動機
志望動機では以下の3つを内容に含めると、読み手にとって納得感のある文章になるでしょう。
自分がどういう人間なのか(過去)
将来自分は何をやりたいのか(未来)
その直線上(過去と未来)にどうやってこの企業が関係するのか
この順序通りに書くことができれば、ストーリー性のある志望動機を書くことができるので読み手にとっても、最後まで読みたくなる文章になります。また、この型通りに書けば論理的な文章になるので、納得度も高まるでしょう。特に最後の「その直線上にどうやってこの企業が関係するのか」というところでは、企業分析で分かった会社の特徴や自分で理解したことを書くことで、十分に会社のことについて自分で調べていることもアピールできるでしょう。
(2)学業で頑張ったこと=ガクチカ
様々なネット記事で、ガクチカの書き方についてアドバイスをしているものがあります。よく見受けられるのは、結果を数値化(何倍?何%達成?)することで分かりやすくしようというものです。もちろん、そういった「事実」の伝え方も大事ですがガクチカで最も大事なのは、あなたの気持ちや感情、考えの部分を伝えることです。例えば、以下のようなことを文章に盛り込むといいでしょう。
どんな活動を頑張ったのか(事実)
なぜその活動をしようと思ったのか(気持ち・感情・考え)
その活動で起こった困難とそれに対して思いついた解決法や、目標として定めたこと(事実)
どうしてその解決法が一番良いと思ったのか?/どうしてその目標が良いと思ったのか?(気持ち・感情・考え)
結果(事実)
この経験から、何を学ぶことができたのか?(気持ち・感情・考え)
ESの設問では文字制限があるため、(気持ち・感情・考え)の部分は全て入れることが難しい場合があるでしょう。その場合は、ガクチカで最も伝えたいことを入れるといいでしょう。
(3)あなたの強み・弱み
上述の通り、強みはすぐにいくつか思いつくことが多いでしょう。弱みについては、どういったものでも良いでしょうが、なるべく「コミュニケーション能力が無い」(例えば、人見知りなど)といった印象を与える話題は避けた方が良いでしょう。以下では、強み・弱みを書く上で気を付けた方が良い点を紹介します。
強み
なにが強みだと思うか
その強みを活かすことができた例
その強みは今後、社会人生活でどのように活かすことができるか
弱み
何が弱みだと思うか
それがどうして弱みだと自分で考えるのか
今その弱みをなおすために努力していること
特に、弱みについては簡単な言葉でまとめるのではなく、詳細に説明すると相手に伝わりやすく、逆にネガティブに捉えづらくすることもできます。例えばよく見られるのが「せっかち」という言葉ですが、せっかちという状態を表す言葉だけでは何が弊害になっているのか?そもそも本当に弱みなのかさえも伝えられません。この場合は、せっかちであることで「他のメンバーと意思疎通する前に自分で勝手に行動してしまう」のが悪かったり、「考える前に行動してしまって、計画性がない」のが弱点となってしまうことがあります。
使いやすい言葉に頼るのではなく、詳細に説明できるように文章を組み立てましょう。
5.まとめ
インターネットでは、様々なESの書き方テクニックが掲載されています。それらを参考にしてESを書くのも良いですが、最も大事なのは皆さんの中身(考えや感情)を文章を通して読み手に知ってもらうことだと思います。余力があれば、さまざまな会社にESを提出してみたり、他の人に読んでもらったりして本選考までに自分の最強ESを作り上げていきましょう。
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